2009年12月15日

合理性について

ラショナリズム=rationalismとは合理主義のことですが、
接頭語を見るとratio=比例という言葉がくっついています。

つまり物事を比例配分していくのが合理性なんですね。(と、思う)
・・・ということは1:2:3という風に比例配分するためには
同じ土俵に載せる必要があります。

なにかのデザインを議論している場面で、
「合理性ばかりを追求することが良いことだとは思えない!」
なんて意見があったとします。
この意見はよく考えるとなんだか変です。

ある人が畑を耕すとしたら、
成果を上げるために、土地、畑に手を入れる時間、人工数、
肥料の量と質、種の量と種類、、畑仕事のための機械や道具・・・
こういった物に対して自分の予算を分配していかないといけないです。
ではこの分配量は何を元に決めていくのでしょうか?

これはひとえに目的によります。

作物による収益を最大化するのが目的なのか、
家族がよく食べるものを美味しく作ることが目的なのでは
予算の分配の仕方が全然違ってきます。

「合理性ばかりを追求することが良いことだとは思えない!」
・・・というのは例えば経済的合理性だったりするわけですが、
目的の無い合理性というのはあり得ないのだといえます。

何に対する合理性なのかはっきりさせる必要があります。





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2009年12月07日

CCFシステム -床暖房、冷房、暖房、空気清浄-

以前に別稿「高断熱の家の効果」で書いた床暖房のシステムとは少し違うのですが、
CCFシステムという温風床暖房のシステムがあります。

C: Clean air
C: Circulation
F: Floor heating


きれいな空気を循環させて床暖房する」


という意味です。
床暖房・冷房・暖房・空気清浄ができるシステムです。

最近とあるきっかけで、「温風床暖房研究所」の駒形社長と知り合いました。

・・・で、現場を拝見したい旨をメールでお伝えしたら、
川越でもうすぐ竣工する物件を現場見学できるとのこと。
私も是非伺いますってことで、あっという間に話がまとまって日曜日に現場に伺ってきました。

社長の駒形さんはとっても気さくでさわやかで熱い方でした。
いろいろ教えて頂きました。

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さて、伺ったお宅の話ですよね。

新河岸駅からしばらく歩いたところのお宅でした。
1階がピアノを弾くための防音室と2階が生活の場。
ふつうならエコヌクールレオ1台で済むらしいのですが、
防音の関係上やむを得ず1階と2階に分けてシステムを入れているとのこと。
防音はここら辺が難しいところですね。お客様もそれは納得済みとのこと。
配管が繋がっているとそこから音が伝わってしまうので、防音の意味が無くなります。

1階はまだ起動させてなかったので、家に入ったときとても寒かったのですが、
2階はほかほか。
・・・というか熱すぎ?これは・・・?と思って上着を脱いでいると、
せっかく体感しに来るわけだから、わかりやすくするために必要以上の温度設定にしているとのこと。
なるほど!

↓温水の温度設定と室内温度をコントロールするスイッチ
1.jpg
あちこち歩き回ってみましたが、部屋の隅々まで床がほんわりと暖かい
いわゆる床暖房パネルだと、パネル設置部分だけが暖かいですが、
このシステムだとそういうことにはならないですね。

↓これがファンコイルユニット
ここから部屋のあちこちにダクトを回して送風します。
2.jpg
床下に回して、床を暖め、残りを上の部屋に吹き出す。
つまり床暖と部屋の空気を同時に暖めています。
このお宅ではやっていませんでしたが、下の階の部屋に直接吹き出す、
という使い方もアリだそうです。
というのも、温風床暖房だと暖まるまで少しタイムラグがあるので、
いち早く暖めるために空気を直接出す、という使い方もすることがあるそうです。

床下からの吹き出し口は温風の吹き出し量を調整できます。
3.jpg

↓トイレもほんわりあたたか
4.jpg



驚くべき事に冷房も出来るとのこと。
これは結構すごい事なはずです。
つまり結露の問題を解決しているからです。

床下のほこりも全然問題ないとのこと。
音に関しても最小で稼働させれば計器で測定できないほど静かで、
夜に稼働させたい場合でも問題ないそうです。
これらに関しては今のところノークレームとのこと。

ここら辺は今後詳しくは書きますね。

↓窓は一番熱が逃げやすいので、
こんな感じで吹き出しを配置していました。
5.jpg

社長と、お施主様といろいろお話させていただきました。
勉強になります。

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・・・ところが、それだけでは終わらなかったんです。
当日駒形さんに、床暖システムのことをいろいろ伺いたいと申し上げていたのですが、
お施主様のお宅を後にしてから、ファミレスで3時間ぐらい話をしました。
帰り道で「こんなに話が盛り上がるとは思わなかったね」というお話になって
たのしい時間を過ごしました。

話の内容は多岐にわたり、床暖のシステムのこと、考え方、
駒形さんの今後の展望、建築業界の話などなど熱く語っていただきました。
(質問攻めですいませんでした。)

結局話が終わったのが11:00ぐらい。
いろいろお話を伺った上に、ごちそうにもなってしまい、
しかも帰り道だから、といって途中の駅まで送って頂きました。
なんだか申し訳なくって・・・。ありがとうございました。)

このシステムが私自身とても気に入ったので、
お願いして設計事務所としてパートナー登録させて頂きました。
分厚い資料を頂いたので、今後どんどん勉強を積み重ねるつもりです。

温風による床暖房のシステムはいろいろな考え方や方法があって、
一概にどれが良いとかは無いのですが、
もし新築やリノベーションの計画をお持ちで、
CCFシステムについてご興味がある方はご連絡ください。

メール : 黒澤亮建築設計事務所
       metascape@hotmail.co.jp

CCFシステム

「温風床暖房研究所」

今後少しずつ関連記事を書いていきますね。








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posted by rio at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年11月28日

空間の力

川越の壁式RC造3階建てマンションの配筋検査に行ってきました。

3階スラブの配筋途中でした。

写真その1階。既に2階床のコンリートが打たれ、養生期間として支保工が立ったままです。
打設後に固まっているからといって外してしまうとスラブや梁は垂れてしまうのです。
法で定められた期間、置いておかないといけないです。

それを無視して、コンクリートが固まらないウチから支保工を外したり、
工期を急ぐ余り、急いで次の階の材料を大量に置くと垂れる可能性があります。
スラブを支える型枠ごとゆがんでしまうんですね。
養生期間はきちんと取らないといけないです。
必要以上に工期を圧縮させるとおかしな事になってきます。

ちなみにコンクリートが固まるのは水分が蒸発するからではありません。
水和反応といってコンクリート内部で化学反応が起きています。
時間がたつにつれ化学反応が進んで強度が増していきます。
逆に所定の強度が出るまでの初期段階では乾燥しないように気を配る必要があります。


(↓雨上がり直後)
P1070216.JPG

スラブにアンカーを打ってからチェーンで引っ張っています。
これは型枠が自立していても、コンクリートを流し込むときに
揺れたりゆがんだりするからです。
精度を保つためにがっちり固定しています。


↓階段部分です。
段々部分はこうやって型枠を組んで作っているんですよ。
P1070237.JPG

いつも思うのですが、建設最中の雰囲気は独特です。これから生命が誕生するような、
あるいは生まれたての動物のような、生命的な生々しさがあります。

P1070219.JPG
太陽が差し込むと神々しく感じることさえあります。

建築建てる
たったこれだけのために全てが配置されると、空間はなにやら特別な力を持ち始めるんですね。
ある方向に、物が全部同じ向きを向いている状態とでもいうんでしょうか。








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posted by rio at 02:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年11月26日

グラントリノ

クリントイーストウッドの「グラントリノ」を見た。


俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。
少年は知らなかった、人生の始め方を。

だって。

これははっきり言って名作である。
なんていいものを作るんだろう。
この人は。
(このキャッチコピーを作った人もすごいが。)

派手なアクションがあるわけでもなく、
思い切り泣けるわけでもなく、
最高に楽しいってわけでもない。

でも含蓄のある、心に入り込んでくるような
そんな深みのある作品だ。
しかも鑑賞者の年齢も問わない作品だと思う。

この映画では、実際にはあるのかもしれないが、
CG表現や巧妙な構成操作、あるいは理論・手法めいたところが見えない。
全然感じない。
何か表現したいことを見せているのであって、見せようとはしていない。
この違いは大きい。
変な作為が無いのである。

イーストウッドがそれをぐっと押さえながら、
絶妙のさじ加減を発揮しているのだろう。
作品の核となるものを、確実に、正確に、正直に、率直に表現している。

建築もこうありたい。


グラン・トリノ




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2009年11月21日

アルゴリズムと「強烈な幾何学」

何ヶ月か前に簡単な物だけれど、プログラミング勉強してみました。
で、簡単なプログラムを作って、実務作業に役立てています。

CADで図形を描くのではなく、CAD上で一定の条件や数値を入力して、それに合わせて自動描画させます。今まで複雑に見える手続きを踏んで描いていたものも、よく観察すると描き方に一定の規則性があったりします。その手続きを抽象化し、数式に置き換えます。

人が具体的に収まりを判断しながら書き進めていかなければならないようなものもありますが、一定の判断基準に基づいて、惰性で描いている場合もあるわけです。そして手順を覚えるということは、自分の脳にプログラミングを記述しているのと同じです。それをコンピュータがわかるように書き換えてやります。

・・・と考えると、なにか手順を覚えるというのはプログラミングすることと同じなのではないかと思いました。また、ある条件に出くわしたら、別の手順を引っ張り出してくる、というのもまさにプログラミングです。
正確な定義はまだ無いようですが、これら一連の手続きをまとめてアルゴリズムというようです。全く未知の用語というわけではなくて、我々は普段から当たり前のように行っていることです。

今まで面倒だった作業が一瞬で処理されるので非常に重宝していますが、コンピュータの処理能力の向上につれ、なにやら未知の力を感じます。最近はアルゴリズムという考え方を建築に取り入れようとする人たちが現れつつあります。

2009年4月にアメリカ大学を見学しました。多くの学生がアルゴリズムを取り入れた設計をしていたのですが、どの建築も異様な形をしていました。どうやって実際に施工するんだろうか?と思いましたが、それはさておき、どれも何か根本的なところが似ています。

初期条件とアルゴリズムを定義して、コンピュータに膨大な情報処理をさせる・・・、どこか人間の思考の外側に突き抜けてしまったような凶暴な形でした。

これを私は「強烈な幾何学」と名付けました。

これはまた別に考察やレポートをしたいと思います。




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posted by rio at 22:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記