2007年08月14日

終戦記念日に想う

8月15日は終戦記念日です。

我々は戦争を知らない世代ですが、同時に戦争を知っている世代と接したことのある世代でもあります。人や書物などを通して情報やメッセージはいくらでも受け取ることは可能だと思いますが、戦争があったことすら知らない世代のとんちんかんな街頭インタビューを見るたびに、学校で何を教えているんだろうかと思ってしまいます。単に知ろうとする意思とイマジネーションの力があれば問題無いはずなのに。また、この世代のインタビューを集めて表面的におもしろがるメディアの姿勢にも感心できません。子供の世代がこういう事態になった根本に焦点を当てていないからです。


私は4年前と2年前に祖父を亡くしました。この年になるまで人の死に立ち会ったことは無く、お葬式では大泣きしました。死が悲しかったから、という理由だけではありません。祖父達が背負ってきたもの、戦後の焼け野原から今日の社会を築き上げてきた苦労と決意を想ったからで、涙が止まりませんでした。(その結果が上記のインタビューでは報われないでしょう?)

祖父の一人は海軍の船で一時期暗号解読をやっていたそうです。暗号を本部とやりとりするわけですが、解読のための鍵になる本があったそうです。この日はこの部分の規則を使うとか、細かなルールのある本だったという話でした。同じ規則を使い続けると解読されてしまうからです。(小さい頃に聞いたので記憶が曖昧ですが) そして本の表紙と裏表紙には銅板が貼られていたそうです。なんで銅板が貼ってあったの?と聞くと、もし船が敵の支配下に入って占領されそうになったら、すかさず海に捨てるためだそうです。そうすると銅は比重が思いですから、絶対に浮いてこない。敵に暗号解読のキーを渡さないためにそのようになっているということでした。

また、船の中でハンモックの中で寝るらしいのですが、起床の合図から集合までの時間が短く着替えが間に合わないと上官に殴られるので、みんな起床時間の少し前には起きて、ハンモックの中で音を立てないようにそろりそろりと静かに服を着替え始めた・・・など。殴り方というのも半端じゃないらしく、鼓膜が破れたかと思ったときもあったそうです。

祖父は戦争終結とともに空からばらまかれた終戦の知らせの紙(10p×6pぐらいだった)を大事に持っていました。




15日の天皇の玉音放送を聞いたみんなはどんな想いだったでしょうね。
それまで生活の全ては戦争のために天皇のために捧げられてきたのに。

夏だから焼け野原と死体と青空が広がって、絶望感と悲しみ、虚無感・・・全て空白から戦後が始まったのだと思います。希望を見いだすのには時間がかかっただろうと思います。もちろん広島長崎はさらに地獄絵図が広がっていた訳ですが。

これすら知らない人が居るなんて・・・





戦争は悲しみを生むだけだ。だから戦争はいけない、憲法を変えてはいけない。悲劇を繰り返してはいけない・・・といった意見はもっともだと思います。しかし戦争が起こるのには相応の理由があるでしょう。戦争は外交の手段としては最低の方法なのですが、抗しがたい力と共にやむを得ず起きるものもあります。そこで国を守るためなら憲法を変える必要もある、解釈を変えるという意見があるのももっともです。ではどうすればいいのか?



日本、ひいては世界は「柔らかさ」というものを求める必要があると思います。上記のような2方向の針の振れ方とは違う、かといって単に中間を取るのとも違う「柔らかな知性」というものが求められていると思います。それはこれからの社会に求められる新しい合理性なのです。私としては憲法は改正せず、技術力、経済力を活かしながら危険を回避しつつ、フェアな外交ができる日本であって欲しいと思います。もちろんそのような解決策や方向性は必ずあるはずですが、ここから先の具体策は政治家や官僚に任せるしかありません。


私は「柔らかさ」とはどういうことなのか、建築を通して社会にアプローチすることができるだけです。それでも祖父達の世代から受け継いだ日本をより良くしていくことに繋がると考えています。ここで言っている「柔らかさ」というのはどういうものか、建築の案として提示してみたいと思います。

祖父の持っていた終戦の知らせの紙の意味、そしてそれを大事に持ち続けていたことの意味と共に、そんなことを考えています。


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posted by rio at 05:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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