2016年03月31日

一級建築士試験

明日から4月に入り、多くの社会人一年生が誕生することと思う。
おめでとう!
ぜひ頑張って欲しい。
苦しい時もあるかもしれないが、頑張っていれば必ず良いことあるよ!
世知辛い社会の中で生きていくのは大変だけど、
頑張っている人を見捨てておくほど無情でもない。



さて、建築士を目指す人は働く環境に期待と不安を抱えて、どきどきしているかもしれないが、
並行して建築士の試験にチャレンジしようという人もいるだろう。

私は大学院に行ったため一級の受験資格があったので(当時はそうだった)、
生意気にもいきなり一級を受けた。
お金も無かったし独学で学ぼうと思い立ち、あれこれ研究して独学で2回受けたが2回とも落ちた。
受かればすぐにでも独立するつもりだったが、なかなかそうはいかない。
設計事務所の仕事が忙しくなって、試験を後回しにして2年ほど空けたが、3回目のチャレンジでは資格学校に通った。
その年は試験も製図も一気に受かった。ようやく。

今にして思うと2級から素直に受けても良かったなと思う。
というのはアトリエ勤めで経験が浅いと一級の試験はハードルが高いからだ。
とくに施工が一番難しい。
計画も構造も大学で学ぶことの延長だが、施工はそうはいかない。
大型重機の名前とか現場のことが書いてあっても、想像力が働かない。
ある程度現場経験が必要かもしれない。

では意匠系の人にとって、どの学科に一番力を注ぐべきかと言われれば、それは「法規」だ。
間違いない。

建築士の試験は一発で受かる保証はない。
建築士を志す人は試験勉強に膨大な時間を費やす。
しかも暗記に因るモノが多いので、一回落ちると忘れて、
次の年にまた覚え直さないといけないことが沢山ある。

ところが法規は違う。


まず第一に、試験に落ちても次の年で法令集の作り込みが活きる。
自分が過ごした時間を無駄にしないで、次の年に引き継げる。

第二に、法規を素早く引いたり知識が身につけば即座に仕事に直結する。
他の学科は仕事に反映されてくるにはタイムラグがありすぎる。

第三に法規の独特の書き方や情報の網羅の仕方に慣れておくと、
条例や各種法令をスムーズに読むことが出来る。
また、法規はページをまたいで読み込む必要があるが、
それに慣れておくと一つの情報を知った時に関連事項を察知しやすくなる。
勘が働いて慎重になる。これはとても大事。役所との協議にも活かせる。


法規の試験はひとえに法令集の作り込みにかかっている。
それが分かっていたから、資格学校でも法規の授業はほとんど出なかった。
その分、法令集の作り込みを充実させた。
法令集は試験会場に堂々と持ち込むことが許可されている味方でもある。

ちなみに今でも、うなぎ屋のたれではないが、
当時の書き込みを新しい法令集に継ぎ足して、実務に役立てている。

posted by Rio Kurosawa at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 思考記録
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