郊外の駅に降り立つと、活気のある街とそうでない街がある。
活気を感じられない街には共通した特徴があることに気付いた。
それは飲食店の多様性が貧弱なことである。
食は生きる原点だ。
食こそ生きるための活動の原点なのだから、そんな異様な活気とともにある街は素敵だ。たとえば香港や台湾、タイやイタリアの市場の映像を見たことはあるだろう。そこに魅力を感じる人が多いと思う。それは人の営みの原点があるからだと思う。
郊外都市に降り立つと目に留まる店といえば、パチンコ、消費者ローンが大々的な看板を掲げ、それに次いでチェーン店のファミレスや居酒屋の看板が目に付く。これは、はっきり言おう、・・・政策の失敗なのだ。
街の人口が少ないのだから飲食店が出店しないと考える向きもあると思う。しかし、チェーンが出店するということは、人口と採算のバランスが確保できると踏んでいるからで、人口が少ないから出店できない、ということにはならない。
経済特区的に行政が主導して、目先の利益や経済性を殺して長期的な視点に立つ必要性があると思う。駅前を再開発すれば確かに街は整うが、相対して地価が上がり、出店料も上がるので、チェーン店やブランド力のある店舗から入ることになる。見かけはおしゃれだが、どこの街に行っても見れるものばかりになってしまう。その街の代わりはいくらでもあることになり、休日ともなれば、より競争力のある都心への流出を許してしまう。
街の本当の活気の源は誰なのか気づかなければならない。
それはその街で生きている人たちなのだ。
その街で暮らしながら日々をがんばっている人たちなのだ。
お金だけが暴走するような、アンバランスな生のあり方を、長期的な視点で正せるのが行政の最大の仕事であり、醍醐味ではないか?
行政は変な街づくり理論に惑わされてないか?
街づくりをするならあそこの街をモデルに・・・なんて発想が街をダメにする。
こだわりの店が出店しやすいような仕組みを行政が率先して行うべきだと思う。