学生の頃に読んだ本で(確か鹿島出版の黒本だったと思うが)デザインというのは人口がふくれあがったときの、大衆のためのアート、それがデザインなのだ、という論旨の本を読んだ。
これはかなり影響を受けた。
ではデザインという概念の歴史的経緯は分かったとして、とどのつまりデザインとは何だろうか?
効率を良くするモノだろうか?
美しいオブジェのようなモノだろうか?
使い勝手のよいモノだろうか?
最先端の技術を駆使したモノだろうか?
新奇な意匠性を持ったモノだろうか?
生活を潤すようなユーモアやウィットに富んだひねりのあるモノだろうか?
今までに無い課題の解き方をしたものだろうか?
所有欲を満たすようなフォルムや存在感だろうか?
斬新な概念を取り入れたモノだろうか?
私なりの結論を言えば、これらはデザインを成立させるための部品でしかない。
それを先鋭的に押し出したものは、単に「部品の表現」であってデザインではない。
もちろん私の個人的な意見。
デザインを志す人は一度考えてみて欲しい。
料理で置き換えたらわかりやすいかもしれない。
料理を創作するのも一つのデザインだ。
例えば、
滅多に入手できない高価な食材を手に入れた。
で、特別な調理法で料理した。
まずいのは論外として
食べた人が、珍しい味わいだから話の種にはなるかもしれないけど、別に次も食べたいとは思わないかな?・・・と感じたらそれは何がデザインされたのだろうか?新奇性に価値があるということだろうか?
・・・ということだ。
料理なんだから美味しくなければね!