2010年08月13日

工場見学 プレカット工場(2)

工場見学 プレカット工場(1)はこちらから


材はローラーにのって縦方向横方向に移動していきます。
ローラーが黒いのは木材の樹脂が少しずつ付いて黒くなるそうです。
工場の稼働を止めたときにあわせて一気にローラーの清掃をするそうです。

ここは自動木拾い装置に送り込まれるところですね。
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休み無く材が行き交ってます。

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↓この写真がわかりやすいかもしれません。
材が写真左下から送り込まれて写真右上方向に移動していきます。
途中に直交するローラーがありますが、そこにくると材が直交方向に移動して
端部のプレカット処理が行われます。

材の右側をカットしたら、その奥で左側が加工されます。

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直交方向に移動したら、端部ではこのような機械が待ち受けています。
左下の機械の先端にはいろいろな刃が取り付いています。
加工形状に合わせて刃が自動的に切り替わります。

中央の箱の中で切削が行われます。
一心不乱に仕事に打ち込む熟練職人のような感じで見入ってしまいます。

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そして箱の上にパイプが出ています。

例のパイプはここに使われていました。
プレカットした時に出る削りくずを吸い込んで、工場の端にあるリサイクル工場まで
送り込まれます。
固めて固形燃料にしたりするそうです。

確かにいちいち掃除しているわけにも行かないでしょうから、
こういうシステムが不可欠なんですね。

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サンプル品ですが、こんな感じで加工されてきます。
上にあるのが刃です。
定期的に取り替えないといけないみたいです。

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左から順番に、
梁の蟻掛け
根太堀り
間柱欠き
垂木欠き

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右上の四角い穴はボックス掘りと言われます。

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こちらは金物工法用の掘り込みです。

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金物が取り付いた状態で出荷されます。
金物工法のメリットは、金物が材の中に隠れるのでデザイン的にすっきり収まるという所と
材の切削量が少ないので、断面欠損が少なくできるという所です。
その分梁せいなどを小さくできます。(材積を減らせる)

これはプレカットという機械とコンピュータ制御のシステムがあって始めて成立することで、
mmのずれもない精度があって始めて成立します。
これからは、少しずつ金物工法が増えてくると思います。

ほぼ完全な精度の架構であることが裏目に出ることもあります。
例えば基礎など、どうしても現場で作らなければならないものとの取り合いで
問題が起こることがあります。
現場のものは多少精度が落ちる訳ですが、上部架構が完璧すぎて
融通が利かない場合があります。

コストのこともありますし、一概に在来が良いか金物工法が良いか、現段階では
言い切れません。

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(うーむウチの事務所もこのぐらいの広さがあればなあ。)

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こちらは構造用合板のプレカットをするところ。
床の形状や柱の形、位置がわかっているので、上棟時に一気に敷き込むために
床合板もプレカットされます。

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これで一通り工場見学が終わりましたが、
プレカットCADの事もいろいろお聞きしたかったので、
構造設計部の堀野さんに根掘り葉掘りお聞きしました。
ちょうどお昼休みに突入していて、皆さん出払われていたのですが、
我々のために一人だけ残っていてくださいました。
(ほんとすいません、ありがとうございました。)

マニアックな話しすぎて書けませんけど、大変意義のある時間でした。

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最後にポラテックの方達と一緒にスタッフ全員でぱちり。

ポラテックの皆様、ありがとうございました。






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posted by Rio Kurosawa at 11:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 工場見学

2010年08月12日

工場見学 プレカット工場(1)

スタッフ全員で工場見学に行きました。
ポラテック株式会社さんの茨城県坂東市にあるテクノフィールドという工場にお邪魔しました。

業務の息抜きと研修を兼ねて工場見学をすることになったわけです。
うちでは意匠設計だけでなく、構造設計も同時進行で行うので
構造体に対する理解をより深めるいいチャンスです。

ポラテックの遠山さん、白石さん、そして工場長の中根さんに
お時間を割いて頂き、工場内を丁寧にご案内頂きました。
(ありがとうございました)

さてさて、どんなことをやって、住宅の骨組みを加工しているのか・・・?


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ホントに巨大な工場でカメラに入りきりません。

これでもいくつかある工場群の中の一つなんです。

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トラックにコンテナを載せて運ばれてきます。
また、加工が終わったものを積んで出荷されます。
滑り台のような所を使って荷の積み下ろしを行います。

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これは加工が終わった材を一時的に保管する際に養生として覆うためのシートです。
そのシートごと出荷されていきます。

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工場のわきにある建物(?)に先ほどのシートにくるまれた材が分類されて置かれています。

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ひ、ひろい・・・。

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なんだかものすごいことになっています。

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材ごとに分類されています。

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これは何かと思いましたが、後でわかりました。
答えは後ほど。

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この機械は世界初の自動木拾い装置だそうです。
定尺の長さの材から、いくつかの材を切り出すのですが、
一番効率の良い切り出し方をしつつ、大きさごとに分類されていきます。

ほとんど工場に人はいません。
(というか広すぎて人口密度が少なく感じるだけかもしれないが)

清潔感のある工場内を大きな加工音が響き渡り、
木材が着実に加工されていきます。
これらが高度にコンピュータ制御されて稼働しているところが
とても不思議というか、未来的な光景に思えました。


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長尺の材です。

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LVLの巨大な梁です。
曲げを大きく負担する場所など、通常の材では保たないような箇所に使います。
金額は高くなるんですが、これがないと木造3階建てはなかなか辛いものがあります。

集成材は3センチぐらいの板を貼り合わせたものなんですが、
LVLはぺらぺらのシート状になった単板を何枚も貼り重ねたものです。

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105×390×6000mmの材がありますね。
通常390mmを超えると特注になります。

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ここから材を入れてホゾ穴や蟻などが加工されていきます。
写真の左側からフォークリフトで次々に材を置いていきます。



工場見学 プレカット工場(2)につづく




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posted by Rio Kurosawa at 15:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 工場見学